住み替え・購入

【厳しい】個人事業主・1人社長が住宅ローンを借りる準備と方法

マンションや戸建てを買う場合、よっぽと数千万円クラスの貯金がない限り、ほとんどの方が住宅ローンを利用することになります。

個人事業主や1人社長の方も例外ではなく、マイホームを買う場合は住宅ローンを利用することになるでしょう。

ただし、普通のサラリーマンと比較すると、体感20倍くらいは苦労するので覚悟しておいてください。

【追記】

実際に私も住宅ローンの事前審査に出してみました。年収870万円、自分が代表の法人の過去3期はすべて黒字決算。

  • りそな銀行:4,000~4,500万円
  • フラット35:7,000万円

という融資額(承認通知)でした。倍はいかないにしても、1.5倍以上の差がありました。フラット35は金利が高めなのですが、融資額だけでいえばやはり大きいです。

購入時はフラット35を利用し、途中でりそな銀行など民間金融機関に借り換えするかもしれません。借り換え手数料で100万円ほどかかりますが、トータルで考えるとその100万円を払ってでも、民間の安い金利にした方が、総支払額を抑えることができる試算です。

前提:個人事業主・社長の信用度は低い

個人事業主や社長は、社会からの信用度が低いです。残念ながらこれが事実です。

サラリーマンとは違い、その年の年収が保証されていないどころか、来月の売上だってどうなるかわかりません。常にリスクと隣り合わせです。

もちろんその分のリターンに期待して自分で独立してビジネスしているのですが、「お金」に関する金融機関の見方は非常にシビアです。

なにも住宅ローンに限らず、クルマのローン、そしてクレジットカードさえも新規で作りにくくなってしまいます。「独立する前にクレジットカード作っておけ」と言われるのはこのためです。

職種や業界による優劣はありませんが、IT系は特に信用が得られにくい傾向にあります。

ホームページ制作、インターネット広告、ブロガー、ユーチューバーなどは金融機関の審査担当者に理解されにくく、怪しいと思われる側面も残念ながらあります。

ITという仕事が無形ビジネスであることも、より理解してもらうのを困難にしています。

 

個人事業主・社長が住宅ローンを借りる方法2つ

普通の大手銀行の住宅ローンを借りるのは難しいです。審査がとても厳しいからです。

以下どちらかの方法だと、借りられる可能性が高いです。

フラット35で買う

民間の金融機関ではなく、「住宅金融支援機構」という組織が運営している住宅ローンであり、個人事業主・社長の方によく利用されています。

一般的な住宅ローンの返済期間である35年間の間ずっと、金利が変わらずフラット(一定)であることから、この名称が付いています。

金利は審査通過後、借り入れ開始の月の金利が35年間に渡り適用されます。2018年現在、返済期間35年の場合だと金利1.35です。

耐震性などに優れた築浅マンションなどは、金利が低いフラット35Sというプランも選択できます。

フラット35の公式サイト

共同名義で買う(奥さんが正社員の場合)

夫婦共働きで、なおかつ奥さんが正社員の場合、共同名義という形で住宅ローンを借りることもできます。

個人事業主もしくは社長1人だけだと信用が足りないものの、奥さんと2人であれば審査通過できることもあります。

この場合年収は合算年収にできますので、より経済力面での信用を高めることもできますし、借り入れ額を大きくすることができます。

ただし奥さんがパートや専業主婦の場合は、共同名義にはできません。

 

個人事業主・社長が住宅ローン審査時に必要な書類・準備物

過去の実績売上、利益、年収などを細かくチェックされます。

個人事業主・1人社長はサラリーマンと違い、給与明細がないので、確定申告書や決算書を提出します。

個人事業主

  • 確定申告書を過去3年分
  • 身分証明書(免許証など)
  • 実印

社長(法人代表)

  • 決算書を過去3年分
  • 身分証明書(免許証など)
  • 実印

法人の決算書の場合、黒字であることが求められます。

創業期で苦しかった、節税のため、青色申告で・・・などの理由で赤字決算している1人社長の方も少なくないと思いますが、「赤字=支払能力がない」とも見られます。

数年後にマイホーム購入を考えている方は、今期決算からわずかでもいいので黒字にしておくことを強くおすすめします。

 

個人事業主・社長が住宅ローンを借りる場合の流れ

  1. 書類準備
  2. 事前審査
  3. 本審査
  4. 契約
  5. 融資(借り入れ)
  6. 返済

大まかな流れは上記の通りです。

それぞれ詳しく解説します。

1.書類準備

上述した通り、過去3年分の資料などを用意します。

2.事前審査

購入物件を取り扱っている不動産会社を通して、簡単な事前審査が行われます。

準備した書類内容を不動産会社が電話で金融機関に伝え、審査OK/NGか、いくらまで貸してくれるのかのおおよその金額を教えてくれます。

金融機関や時期にもよりますが、早ければ即日、遅くとも数日以内には判明するはずです。

3.本審査

事前審査がOKなら、準備書類を直接、金融機関に送ります。不備や不明点があれば、電話などで問われることもあります。

審査の結果は、不動産会社を通して伝えられる場合もあれば、直接伝えられる場合もあります。

4.契約

本審査もOKなら、金融機関の個室ブースへ行き、住宅ローン契約です。余裕をもって2時間は見ておいた方がいいです。実印も忘れずに。

5.融資(借り入れ)

契約時に取り決めた日・銀行口座に、借入金額の全額が振り込まれます。普通はマンション決済日に振り込まれます。

振り込まれた数千万円を即日そのまますぐに、不動産会社または不動産オーナーに振り込みます。

金融機関 → あなた(買主) → 不動産会社または不動産オーナー

という流れでお金が動きます。一切のミスが許されない大金が動くので、すべて金融機関の担当者が入出金をやってくれます。買主であるあなたは横でお金の流れ・金額を確認するだけで進んでいきます。

決済日当日の流れもチェックしておくと良いでしょう。

6.返済

契約時に取り決めた月から返済が始まります。普通は35年を返済期間に設定しますが、繰り上げ返済ももちろん可能です。

 

個人事業主・社長が借りやすい住宅ローン銀行

フラット35を借りる場合は必然と運営組織である「住宅金融支援機構」から借りることになりますが、フラット35を使わない、もしくは夫婦共同名義の場合は、民間銀行から借りることになります。

何度もいいますが、サラリーマンと違い、個人事業主・社長へどこの銀行でも貸してくれるわけではありません。

比較的、以下銀行は貸してくれやすいと言えます。

  • 日頃から取引実績のある銀行
  • 不動産会社と付き合いのある銀行

仕事で普段から使っている銀行は、これまでのお金のやり取りを把握していることもあり、貸してくれやすい傾向にあります。

入出金(つまり売上とコスト)を銀行側がおおよそ把握できるので、過去3年分の確定申告書や決算書以外にも判断してもらえる材料になります。

また不動産会社と付き合いのある銀行は、不動産会社側からの交渉が有利に働くケースもあります。

楽天銀行などのネット系銀行は審査が緩い・通りやすい、ということは特にありません。

 

個人事業主・社長が住宅ローンで借りられる金額目安

売上、利益、年収、頭金などによって大きく異なるので一概には言えませんが、フラット35公式サイトで借入可能額の目安を知ることができます。

融資率の項目は、当月の金利を入れます。2018年5月現在だと1.35%です。

以下は参考借入額です。

年収 金利 借入可能額
400万円 1.35% 3,903万円
800万円 1.35% 7,806万円
1,000万円 1.35% 8,000万円

※フラット35の場合の目安額です。

おおよそ年収の8~10倍程度というイメージです。

 

個人事業主・社長が住宅ローン審査での注意点

ただでさえ住宅ローンが厳しい個人事業主・社長ですが、以下のような懸念事項があるとさらに審査が厳しくなります。

他でのローン

消費者金融やキャッシングでの借り入れはもちろんのこと、車のローンもあると、より住宅ローンが借りられなくなります。

クレジットのリボ払い

クレジットカードのリボ払いも借金扱いされます。繰り上げて返済しておいたほうが無難です。

税金の延滞

所得税や住民税、社長の場合は法人税も対象です。現在はすでにきっちり払っていても、過去に遡って滞納・遅延を指摘される可能性もあります。

また金融機関によっては確定申告書や決算書とともに、納税証明書の提出を求めるケースがあります。

奨学金

専門学校や大学で借りていた奨学金は、立派な借金です。

消費者金融などの借金とはやや性格が違うため、シビアに見られることはあまりありませんが、念頭に入れておいてください。

共同名義での団信

夫婦共同名義で住宅ローンを借りる場合、団信(団体信用生命保険)にも共同で加入しておくべきです。

団信に加入しておくと、万が一、夫もしくは妻が死亡してしまった場合に住宅ローンの残債分がチャラになります。返済しなくてOKになります。

ただし団信に夫もしくは妻の1人しか加入していない場合、加入していない側が死亡してしまった場合は、住宅ローン残債はそのまま残ります。

フラット35の場合、2人で同時に加入できる「デュエット(夫婦連生団信)」という制度があります。保険証は単純に2人分必要なのではなく、1人で加入した場合の約1.56倍です。

 

まとめ

冒頭でも言いましたが、実際に私(1人社長)が住宅ローンを借りるのは、サラリーマンの20倍くらい苦労しました。

それでも今は無事にマンション購入でき、家族みんなで幸せに暮らせています。

個人事業主・1人社長のあなたも諦めないでください。厳しいものの絶対に無理というわけではないので、あなたもマイホームが手に入ります。

せっかくリスク取って独立したのですから、人生を思いっきり楽しむためにも住宅ローンにも果敢にチャレンジしましょう!

※追記】 将来的な売却を考えているので、マンションを一括査定してみたところ、業者によって600万円も差がありました。まずは客観的な価値(価格)を知ることから始めてみてください。

あなたのマンションいくらで売れる?

マンションを無料査定する

※NTTグループ運営、簡単1分ネット完結

家売るならチェック!

当サイトTOPページでマンション売却の流れ・コツを徹底解説しています。

-住み替え・購入

Copyright© マンション売却ブログ【失敗せずに売る方法】 , 2024 All Rights Reserved.